『建設HR』独自分析 建設業関連6業種の2022年3月期第2四半期決算まとめ

総合人材サービス会社のヒューマンリソシア株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:御旅屋 貢、以下「当社」)が運営する、建設人事のお悩みに寄りそうオウンドメディア『建設HR』は、建設業関連の6業種(総合工事業、土木工事業、電気・電気通信設備工事業、管工事業、プラント・エンジニアリング業、住宅・不動産業)の上場主要10社の2022年3月期第2四半期の決算結果についてまとめました。

第2四半期決算では、6業種全てが前年同期比で増収となりましたが、純利益においては4業種が減益となりました。電気・電気通信設備工事業と住宅・不動産業においては、増収増益と好調な決算となりました。

【本件のポイント】

●建設業関連6業種の上場主要10社の2022年3月期第2四半期の決算結果を分析
●6業種すべてが増収となる一方、純利益は4業種が減益になり、6業種合計では、増収減益に
●電気・電気通信設備工事業と住宅・不動産業においては、増収増益と好調

建設業関連の6業種、売上高は前年同期比増収の一方、純利益は4業種が減益に

建設業関連の6業種(総合工事業、土木工事業、電気・電気通信設備工事業、管工事業、プラント・エンジニアリング業、住宅・不動産業)の上場主要10社計では、すべての業種で、売上高は前年同四半期比を上回る増収となりました(図表①)。一方、純利益は、2業種(電気・電気通信設備工事業、住宅・不動産業)が増益に、4業種(総合工事業、土木工事業、管工事業、プラント・エンジニアリング業)が減益でした。増収増益となった電気通信設備工事業は、大手3社の好業績が全体を底上げしたこと、また住宅・不動産業は、政府による各種住宅取得支援策等により住宅市場が堅調に推移していることが要因として挙げられます。

【図表① 各業種の主要10社の実績合計】10

総合工事業

大手ゼネコン4社(鹿島建設、大林組、清水建設、大成建設)を含む総合工事業の主要10社では、8社が減益になるなど、収益面で厳しい決算が続いています(図表②)。売上高(前年同四半期比2.5%増)以外は、すべて前年同四半期比減となるなど、売上高は確保するも収益性は大幅に悪化している状況が見えます。

収益性低下の要因としては、「国内の大型工事複数案件で工事損失引当金を計上」(大林組)、「工事採算の低下に伴う完成工事総利益の減少や販売管理費及び一般管理費の増加」(清水建設)、「大型工事における工事採算が大幅に悪化したこと」(三井住友建設)などが挙げられます。

【図表② 総合工事業主要10社の2022年3月期第2四半期決算(連結)の実績】01

土木工事業

土木工事業では、道路舗装工事業の「NIPPO」、「前田道路」、「日本道路」の3社が、第1四半期に続いて大幅な減益になるなど、10社中6社が減益になりました(図表③)。3社ともに営業利益が大幅な前年同四半期割れとなり、工事の採算性の悪化や販売管理費の増大等が収益性悪化の要因と推測されます。

主要10社合計では、売上高は前年同四半期比で増収(前年同四半期比1.6%増)となる一方、営業利益(同19.1%減)、経常利益(同20.8%減)、純利益(同19.4%減)が減少しており、収益性が悪化していることが分かります。

<図表③ 土木工事業主要10社の2022年3月期第2四半期(連結)の実績>03※前田道路については、インフロニア・ホールディングスの第2四半期決算短信(前田道路分)の実績を記載しています。
※川田テクノロジーズは2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」を適用することを理由に、決算短信では前年同四半期増減率は記載されていません。

電気通信設備工事業

電気通信設備工事の大手である「エクシオグループ」、「コムシスホールディングス」、「ミライトホールディングス」の3社は、テレワークによる光回線需要の増加やモバイル分野での5Gをはじめとする基地局インフラ構築の増大等を背景に、第1四半期に続いて大幅な増益となり、業界全体の好業績の要因となりました(図表④)。

同業種の主要10社合計は、売上高(前年同四半期比2.3%増)、営業利益(同9.9%増)、経常利益(同9.2%増)、純利益(同10.0%増)と、すべてが前年同四半期比で増加しており、業界全体として増収増益の堅調な決算となっていることが分かります。

<図表④ 電気・電気通信設備工事業主要10社の2022年3月期第2四半期(連結)の実績>04

管工事業

管工事業各社の純利益をみると、4社が減益となりました(図表⑤)。特に、「大気社」、「ダイダン」、「朝日工業社」が大幅な減益となっています。この要因について、大気社は「海外子会社の採算性悪化や法人税等の負担が増加したため」とし、ダイダンは「完成工事高の減少、および利益率の低下」としています。

同業種の主要10社合計は、売上高(前年同四半期比1.8%増)、経常利益(同2.7%増)が前年同四半期比で増加する一方、営業利益(同0.04%減)、純利益(同8.0%減)は減少となり、収益性が悪化していることが分かります。

<図表⑤ 管工事業主要10社の2022年3月期第2四半期(連結)の実績>04

プラント・エンジニアリング業

プラント・エンジニアリング業の主要10社合計は、売上高(前年同四半期比2.5%増)、営業利益(同1.4%増)、経常利益(同1.1%増)が前年同四半期を上回りました。一方、純利益(同245.9%減)は大幅な減少となりました(図表⑥)。

この大幅減益の要因は、業界最大手の「日揮」が582億円、2番手の「千代田化工建設」が203億円の多額の特別損失を計上した影響であり、経常利益レベルでは収益性を維持しています。

<図表⑥ プラント・エンジニアリング業主要10社の2022年3月期第2四半期(連結)の実績>05

住宅・不動産業

住宅・不動産業は、政府による各種住宅取得支援策等により住宅市場が堅調に推移していることを背景に、5社が増収増益の好調な決算となりました(図表⑦)。特に純利益は、7社が前年同四半期を上回っており、顕著な収益性の向上がみられます。三井不動産の純利益(同854.9%増)が大幅に増加している要因は、前年同四半期に特別損失として460億円を計上しているためです。

同業種の主要10社合計は、売上高(同6.0%増)、営業利益(同21.3%増)、経常利益(同23.9%増)、純利益(同32.8%増)のすべてが前年同四半期比を上回り、好調な決算となりました。

<図表⑦ 住宅・不動産業主要10社の2022年3月期第2四半期(連結)の実績>06

※各図表の「増減率」は、前年同四半期比を記載しています
※出典:図表①~⑦は、各社の決算短信より「建設HR」編集部が作成

 

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建設HR 独自分析レポート(建設業関連6業種の第2四半期決算結果まとめ)
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