第5回:世界各国のIT技術者数~中央・西アジア編/アフリカ編~
第10回:世界各国のIT技術者の給与は?~中央・西アジア/アフリカ編~
第11回:世界各国のIT分野の卒業者数は?~アジア・オセアニア編~
世界92カ国のIT技術者調査のIT関連学部の卒業者編。続いて中央・西アジアとアフリカについてIT技術者の大きな人材供給源となるIT分野の卒業者について、情報通信技術関連を専攻した卒業者数と、AI(人工知能)やビッグデータ解析分野で重要となる科学・数学・統計学などSTEM関連分野を専攻した卒業者数にフォーカスをあてた調査結果をご報告しまします。
なお、本連載では、経済協力開発機構(OECD)や国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の統計データなどを元に分析しています。
※本連載では、下記中央・西アジア9カ国、アフリカ11カ国を調査しています(※略称、順不同)中央・西アジア:トルコ、イスラエル、カザフスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、キルギス、アルメニア、クウェート、キプロスアフリカ:エジプト、カメルーン、アルジェリア、エチオピア、ガーナ、セネガル、モザンビーク、モーリシャス、ザンビア、ルワンダ、マリ※情報通信技術専攻の卒業者数については、短大等を含む大学(学士、修士、博士)の卒業者数を引用しています※科学・数学・統計学専攻の卒業者数については、短大等を含む大学(学士、修士、博士)のNatural sciences, mathematics and statistics専攻の卒業者数としています
まずは、中央アジア・西アジアの9カ国について、情報通信技術関連を専攻した卒業者の人数を図表①にて見ていきたいと思います。この地域では、サウジアラビアが1万4,613人で最も多く、次いでトルコが1万3,511人となりました。データを確認できた中央アジア・西アジア8カ国の合計は、4万285人となりました。
<出典および情報年(カッコ内)>※トルコ、イスラエル:OECD. Stat(いずれも2016年)※アルメニア(2017年)、キプロス(2016年)、カザフスタン(2018年)、サウジアラビア(2017年)、キルギス(2018年):UNESCOstat※短大等を含む大学(学士、修士、博士)の情報通信技術専攻の卒業者数
続いて、各国のIT技術者の需給バランスを見る参考として、現役IT技術者に対するIT卒業者数の割合を見ていきたいと思います。この数値が高いほど、新たにIT技術者となりえる卒業者が多く輩出されており、IT技術者の供給力が高いと推測できます。なお、各国のIT技術者数については、連載の「第5回:世界各国のIT技術者数~中央・西アジア編/アフリカ編~」で調査した結果を引用しています。図表②によると、最もこの割合が高いのは、サウジアラビアの21.2%、次いでキルギスの19.6%、トルコの9.5%、アルメニアの8.5%と続きました。これらの国は、いずれも日本の3.1%を大きく上回る結果となり、新たにIT技術者となりうる卒業者が多く輩出されています。特にサウジアラビアとトルコは、IT分野の卒業者数が多く、現役IT技術者に対する割合も高いことから、IT技術者の育成に注力している国であると言えます。
※出典および情報年は図表①と同じ
次に、情報通信技術関連を専攻した卒業者数が増えているかを、時系列でデータが取得できた直近の前年比にて算出した図表③を見ていきたいと思います。最も増加率が高いのは、なんと183.3%も増加しているアルメニアでした。2位はカタールの32.9%、3位はキルギスの23.7%と、こちらも大きく増加していることがわかります。一方、トルコ、カザフスタン、キプロスの3カ国は、卒業者の人数が減少していました。
次に図表④にて、今後AI(人工知能)やビッグデータの解析等において重要になるSTEM関連分野について、科学・数学・統計学などを専攻した卒業者で見ていきたいと思います。地域でトップとなったのがトルコで2万3,877人、次いでサウジアラビアが1万8,528人となりました。なおデータを確認できた中央アジア・西アジア8カ国の合計は、5万5,208人となりました。
※出典および情報年は図表①と同じ※短大等を含む大学(学士、修士、博士)のNatural sciences, mathematics and statistics専攻の卒業者数
続いて、科学・数学・統計学などSTEM関連分野の卒業者数の増加率を、時系列でデータが取得できた直近の前年比で算出してまとめた図表⑤を見ていきたいと思います。STEM関連分野の卒業生の増加率が最も高いのは、キプロスの25.9%、次いでアルメニアの20.6%、キルギスの15.9%、サウジアラビアの11.0%と続きました。アルメニアはIT卒業者の増加率、STEM分野の卒業者いずれも増加率が高く、注目に値します。一方、トルコ、カザフスタン、カタールの3カ国は、卒業者数が減っています。
※出典および情報年は図表④と同じ
続いて、アフリカ11カ国について見ていきたいと思います。図表⑥にあるように、アフリカ11カ国で情報通信技術関連を専攻した卒業者数が最も多かったのは、アルジェリアの8,453人、次いでエジプトの6,224人、ルワンダの1,024人と続きました。なおデータが確認できたのは5カ国で、合計は1万6,275人となりました。
<出典および情報年(カッコ内)>※アルジェリア(2016年)、エジプト(2016年)、ガーナ(2017年)、モザンビーク(2017年)、ルワンダ(2016年):UNESCOstat※短大等を含む大学(学士、修士、博士)の情報通信技術専攻の卒業者数
続いて、各国のIT技術者の需給バランスを見る参考として、現役IT技術者に対するIT卒業者数の割合を図表⑦にて見ていきたいと思います。アフリカで最も比率が高いのは、アルジェリアの33.8%、次いでルワンダの20.5%、エジプトの7.2%、モザンビークの4.1%となりました。これらの4カ国は、いずれも3.1%の日本を上回りました。
※出典および情報年は図表⑥と同じ
続いて、IT分野の卒業者数の増加率を、時系列でデータが取得できた直近の前年比にて算出した図表⑧で見ていきたいと思います。この地域でデータが確認できたのは3カ国のみでした。うち、最も高いのはモザンビークで、20.5%の増加、次いでアルジェリアが3.1%増となりました。なお、ガーナは58.4%の減少と大幅に減っています。
次に、今後AI(人工知能)やビッグデータの解析等において重要になるSTEM関連分野について、科学・数学・統計学などを専攻した卒業者についてみていきたいと思います。図表⑨によると、アフリカ地域で最も多いのがアルジェリアの3万9,691人、次いでエジプトが1万5,510人、ガーナが6,764人、ルワンダが1,040人となりました。日本が約3万人ですから、アルジェリアは日本より卒業者が多い結果となりました。なお、データを確認できたアフリカ5カ国の合計では6万3,208人となりました。
※出典および情報年は図表⑥と同じ※短大等を含む大学(学士、修士、博士)のNatural sciences, mathematics and statistics専攻の卒業者数
科学・数学・統計学などSTEM関連分野の卒業者数の増加率を、時系列でデータが取得できた直近の前年比にて算出した図表⑩で見ていきたいと思います。地域でデータが確認できたのは3カ国のみでした。その中で最も増加率が高いのは、ガーナの42.6%、次いでアルジェリアの23.7%となりました。一方モザンビークは、43.8%減となり、大幅に減少している結果となりました。
※出典および情報年は図表⑨と同じ
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