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リモートワーク(テレワーク)向きの職種・業種とは?特徴も解説

作成者: human_resocia|2022/10/06

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大をきっかけとして、リモートワークやテレワークといった新しい働き方が定着しつつあります。
リモートワークは「生産性の向上」「優秀な人材の確保」「離職率の低下」「コスト削減」「BCP対策(事業継続計画)」など、企業にも多くのメリットをもたらすものです。

しかし、リモートワークの推進にあたっては「どのような職種や業務がリモートワークに向いているのか」という点で悩んでいる方も多いようです。
そこでこの記事では、リモートワークに向いている職種や、その特徴について詳しく解説します。

 

リモートワーク(テレワーク)とは?

リモートワークとは自宅やコワーキングスペース、レンタルオフィス、サテライトオフィスやカフェなど、会社以外の場所で仕事をする働き方のことです。
近年はオンライン会議ツールなどリモートワーク環境下でのコミュニケーションツールも普及しており、生産性や業務効率の向上、社員のワークライフバランスの向上、新型コロナウィルス感染症の予防などのためリモートワークを導入する企業も増えています。
なお、リモートワークとテレワークはどちらも会社から離れて働くことを指し、意味に大きな違いもないため厳密には使い分けられていないのが現状のようです。原則として自宅で働くことを「在宅ワーク(在宅勤務)」、会社外で働くことを「モバイルワーク」と表現することもあります。

 

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多くの産業でリモートワーク導入割合が増えている

総務省が発表した「令和3年通信利用動向調査の結果」によれば、多くの産業でリモートワークの導入割合が延びていることがわかります。

画像出典元:令和3年通信利用動向調査の結果(総務省)

 

中でも導入状況が高いのがIT・Web業界を始めとした「情報通信業」で、97.7%とほとんどの企業がリモートワークを導入しています。続いて「金融・保険業」が82.4%、「不動産業」が75.1%といずれも前年以上に導入割合が伸びています。

これらの業界は業務内容的に、リモートワークがしやすく、そのため導入割合が増加していると考えられます。

 

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リモートワーク(テレワーク)に向いている職種の特徴

では、どのような仕事がリモートワークに向いているのでしょうか?ここからは、リモートワークに向いている職種の特徴について、詳しく見ていきましょう。

 

場所や時間の制約がない

パソコンやインターネットの通信環境があれば働ける仕事は、働く場所や時間に縛られにくく、リモートワークに向いています。
店舗販売やお客様に対応する接客業、インフラ関係のエンジニアなどはその場にいなければ業務が難しく、リモートワークとは相性がよくありません。

 

セキュリティ対策ができる

セキュリティ上でも制約があります。個人情報や機密性の高いデータや書類を取り扱う業務の場合、リモートワークに向いている職種であったとしても情報漏えいのリスクにつながるため、リモートワークが難しいケースもあります。

しっかりセキュリティ対策ができるPC環境を整えられる場合や、機密性の高いデータを取り扱わない職種であればリモートワークを導入しやすいでしょう。

遠隔でオフィスのパソコンを利用できるサービスなど、現在ではリモートワーク導入の後押しとなるようなツールも多いため、これらを活用してセキュリティを高める方法もあります。 

 

オンライン環境で完結できる

近年はデジタル化が進み、パソコンがあればできる仕事も増えてきました。このようなオンライン環境で完結できる仕事も、リモートワークに向いています。

成果物がデジタルデータなどである場合はパソコンを使って送信するだけでよく、オフィスに出社する必要がないためです。オンライン上で相談や依頼ができ、成果物の納品までできる職種であれば、リモートワークを問題なく導入できます。

 

個々のタスクが明確

はっきりとやるべきことの役割分担がされており、社員一人ひとりのタスクが明確になっている仕事は、リモートワークに向いています。

各自に割り振った仕事を一人ひとりがこなすことで全体の業務を進行できる職種であれば、仕事の品質を落とすことなくリモートワークへの切り替えができるでしょう。
ただし仕事を進めていくうえで他の社員との頻繁なコミュニケーションが欠かせない業務内容の場合、リモートワークでは円滑なコミュニケーションが難しい傾向にあるため注意が必要です。

またリモートワーク(テレワーク)なら遠方にいる方でも仕事ができるので、専門分野の知識と経験がある方、希少なスキルを持ったエンジニア等、採用が難しい人材の確保につながる可能性があります。もちろん正社員だけではなく、派遣スタッフの場合も同様です。

 

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リモートワーク(テレワーク)向きの職種

ここからは、リモートワーク(テレワーク)に向いている職種をご紹介します。

 

事務系

事務系の仕事は基本的に一人でコツコツと進めていく業務が多いため、リモートワークに向いている職種です。パソコンがあれば場所や時間の制約なく業務に取り組めます。

請求書や契約書といった書類の作成・入力・整理などを行う事務の仕事は一人で集中して取り組んだ方が生産性が高まるケースもあり、リモートワークと相性がいいといえるでしょう。
また、クラウドツールを導入すれば印鑑を押印するための「ハンコ出社」やFAX送受信のための「FAX出社」をなくすことも可能です。

なお、事務はデータ入力と一部業務内容が重複しますが、業務の範囲としては事務の方が広く、電話やメール応対、来客対応、発送業務、報告書や議事録などの社内文書作成などを行うこともあります。一方、データ入力の場合は、パソコンにデータを入力する作業がメインです。

経験がある方も多い事務職の業務。リモートワークが可能になれば、子育てや家族の介護のために働くことをあきらめていた方でも働くことが可能になるため、優秀な人材の確保にもつながります。

 

データ入力

パソコンを使って数字や和文、英文などのデータを入力する「データ入力」の仕事も、リモートワークに向いている職種のひとつです。

入力するデータは多岐にわたり、職種によっても違いがあります。基本的にはあらかじめ決まった入力フォーマットにデータを入力する作業のため、エクセルやワードなど最低限の設備があればすぐにリモートワークができます。
ただし、働き方や求められるスキルは会社によってまちまちで、付随する一般事務的な仕事も任せられるケースもあります。

 

CADオペレーター

デザイナーや設計士が考えたデザイン案を、CADソフトを使って図面化するCADオペレーターも、リモートワークと相性のいい仕事です。CADソフト側もリモートワークの体制構築に積極的で、クラウドで動くCADも登場しています。

ただし、CADでリモートワークをする場合は、図面に関する専門知識も求められ、一人で自律的に業務を遂行できる必要があるため、ある程度の実務経験が必要です。未経験や経験が浅い人材の場合は在宅勤務は難しいでしょう。

 

システムエンジニア

システム開発や設計、提案やテストなどを行うシステムエンジニアは、成果物がわかりやすいためリモートワークに向いています。
上流工程ではクライアントとのやり取り回数が増えるため必要に応じてオフィス出社が必要になることもありますが、一連の業務を一人で行うことも多く、進捗管理や人事評価も行いやすいでしょう。

一人ではなく、数人でプロジェクトを進行する場合でもツールを活用すればオンライン上で確認ができ、打ち合わせもビデオ会議ツールなどを活用すれば問題なくコミュニケーションが図れます。

 

エンジニア・プログラマー

エンジニアやプログラマーは、システムエンジニアに比べてさらに個人で取り組める作業が多く、リモートワークに向いています。コロナ渦以前からフリーランスの方はリモートワークで働く人も多かったようです。
成果物も明確で、場所や時間の制約が少ないことが特徴なので、ITツールを使うことで、リモートワーク環境でも問題なくコミュニケーションや進捗管理ができるでしょう。

 

カスタマーサポート

顧客からの問い合わせに対して回答を行い、顧客の疑問点を解決するカスタマーサポートの仕事は、近年リモートワーク化が進んでいる業界の一つです。

カスタマーサポートはそもそも直接顧客と対面することなく、これまでも電話やメール、チャットなどによって応対を行っていました。決まったマニュアルがあれば、他のメンバーとコミュニケーションをとる機会も少ない職なので、対応の手順や方法をマスターしてしまえば、1人で業務を対応できます。
そのため、クラウドPBXやソフトフォン、パソコンやヘッドセットなどの必要なシステムさえ揃えれば、リモートワーク環境下でも問題なく業務が行えるでしょう。

ただし、電話応対の際の生活音や雑音には、注意が必要です。

 

テレマーケティング・テレアポ

電話を利用して顧客に直接商品やサービスを販売するテレマーケティングやテレアポも、リモートワークに向いています。
顧客から電話をかけてもらう「インバウンドマーケティング」と企業から顧客へ電話をかける「アウトバウンドマーケティング」があり、テレマーケティングは訪問営業と比較してコストを大幅に抑えられることもメリットです。

 

営業

営業職というと足を使って歩き回り仕事を取るというイメージを持っている人も多いかもしれませんが、営業職はリモートワークの一種である「モバイルワーク」向きの職種です。

モバイルワークとは、ノートパソコンやスマートフォンなどのモバイル端末を使い、移動中の交通機関内や出張先、顧客先、ホテルや空港のラウンジやカフェなどで仕事をする働き方を指します。
営業はもともと、クライアントと直接会う以外は、電話やメール、営業資料の作成など、モバイルワークのような働き方をしていました。

近年はビデオ通話が可能なツールの活用が進み、社内のミーティングはもちろん、クライアントとのミーティングや商談、採用活動における面接などさまざまなシーンで当たり前のようにオンラインを介したやり取りが行われるようになっています。
オンラインミーティングツールなどを使うことで、モバイルワークによる営業という働き方もできるでしょう。

 

管理職

みずから実務を行うよりも社員の管理や評価を行う業務の多い管理職は、比較的リモートワーク向きといえるでしょう。

ただし、オフィスで仕事をしているときと比べると、リモートワークでは直接社員の働きぶりを見たり、何気ないコミュニケーションを取ったりすることは難しくなり、マネジメントの難しさを感じる場面もあるようです。
リモートワーク環境に合わせて業務フローの見直しや必要なツールの導入などを行うと、変化にも対応しやすく、上司が自ら率先してテレワークを行うことで、部下もテレワークを取り入れやすくなるというメリットもあります。

 

その他

その他、以下のような業務もリモートワークに向いています。
  •  Webデザイナー
  •  Webマーケター
  •  Webディレクター
  •  ライター・編集者
  •  翻訳者
  •  コンサルタント
  •  企画職 など

 

 

まとめ

場所や時間の制約がなく、パソコンがあればできる職種はリモートワーク向きです。IT業界など情報通信業では9割以上がリモートワークを導入するなど、近年はさらにリモートワーク推進が進んでいます。
一方で、派遣スタッフのリモートワークにお悩みの企業様は多いようです。

「ヒューマンリソシア」では、全国49万人の登録者からニーズに合った派遣スタッフのご提案や、必要機器の貸し出しなどリモートワーク導入支援も行っています。
派遣スタッフへのリモートワーク導入にあたって勤務管理や生産性、コミュニケーションなどの課題を抱えている企業様や、これから派遣スタッフにリモートワークを適用するかどうかお悩みの企業様は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。