第1回「日本における外国人労働者の現状について」

2019/11/27
第1回「日本における外国人労働者の現状について」

国内で深刻化するIT人材不足。
これから人口減少を迎える日本では、ITを活用した生産性向上がより一層重要となってきます。
このコラムでは、統計データを分析し、日本で働く海外ITエンジニアの現状について、3回に渡り考察していきます。

 

はじめに


近年、労働力人口の減少を見据え、あらゆる産業においてIT活用の重要性が高まっています。特にITエンジニア不足は深刻化しており、将来さらに拡大していくと予測されています。経済産業省が2016年6月に発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、2015年時点ですでに約17万人のITエンジニアが不足しており、2030年には人材不足規模が最大79万人にまで拡大すると推計されています。

このような中注目を集めているのが、「海外ITエンジニア」の活用です。
フリーマーケットアプリ最大手の株式会社メルカリが、インドを中心としたITエンジニア40人余りを一気に採用したことも話題になりました。

そこで今回、日本がITエンジニア不足を乗り切るために注目されている「海外ITエンジニア」の活用に向けて、私たちは何をすべきかという問題意識のもと、日本における外国人労働者の動向について分析してみたいと思います。

第1回である今回は、日本における外国人労働者の現状について、統計データから整理をしてみます。

 

 

【1】日本で働く外国人は10年前の3倍となる約146万人に~外国人労働者への依存が高まる


2008年に約49万人であった外国人労働者数は、2018年には約146万人となり、届出義務化以降で過去最高となりました。これは派遣社員として働いている人数約142万を上回ります(2019年1月から3月平均、人材派遣協会調べ)。図表①の通り、外国人労働者数は2013年以降、6年連続で増加しています。

また、就業者数に占める外国人労働者の比率は、2008年の0.8%から2018年には2.2%にまで上昇しています(図表②「外国人労働者比率の推移」)。日本の労働力人口が伸び悩む中、外国人労働者への依存度が徐々に高まっていることが分かります。

図①:外国人労働者数の推移

 

図②:外国人労働者比率の推移

 

 

【2】国籍別ではベトナム人労働者が急激に増加 中国に次ぐポジションとなる


ここからは、146万人を数える外国人労働者について、さまざまな角度から分析していきます。

まずは出身国について、国別の構成比の推移を見てみます。2014年と2018年で比較すると、ベトナム人の構成比が7.8%から21.7%に急上昇しており、構成比トップである中国に迫る勢いです。一方中国人は一貫して増えているものの、構成比は39.6%から26.6%に低下しています。近年では、一言に外国人といっても、アジア圏を中心に、さまざまな国より来日していることがわかります。

図③:外国人労働者の国別構成比の比較

 

 

【3】「卸売・小売業」「飲食店・宿泊業」で働く外国人の比率が高まる


次に、就業している産業についてみていきます。外国人労働者の産業別構成比を2008年と2018年で比較したものが図表④で、まず、「製造業」の構成比が39.6%から29.7%に低下しています。一方、「卸売・小売業」は8.9%から12.7%へ、「飲食店・宿泊業」は10.4%から12.7%へと構成比が上昇しています。外国人労働者の働く場が、従来の製造業から徐々にサービス業へと移ってきていることが分かります。

尚、ITエンジニアが働く主な産業分野である情報通信業については、3.7%から3.9%とほぼ横ばいです。

図④:外国人労働者の産業別構成比の比較

 

 

【4】ITエンジニアが含まれる「技術・人文知識・国際業務」の外国人労働者は6万人から18万人に増加


在留資格別に外国人労働者数の推移を表したものが、図表⑤「在留資格別 外国人労働者の推移」です。いわゆるホワイトカラーとして働く人の在留資格である「技術・人文知識・国際業務」は、2008年の約6万人から2018年には約21万人と、3.5倍に増加しています。この中にITエンジニアとして働く人も含まれます。

また、技術や技能を実践的に学ぶために働く人を対象とした在留資格である「技能実習生」は、資格が創設された2011年の約13万人から2018年には約31万人へと倍増。2019年4月には出入国法改正による新資格が創設されるなど、さらに増えると予想されます。留学生がアルバイト等で働く「資格外活動」も2008年の約8万人から2018年には4倍を超える約34万人へと大幅に増加しています。

もっとも割合が高いのは「身分に基づく在留資格(永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)」で、2008年の約22万人から2018年には約50万人へと2倍以上に増加しています。家族を伴い来日する人が増えていることから、日本に腰を落ち着けて長期的に働く外国人が増えているとも言えます。

図⑤:在留資格別の外国人労働者の推移

 

 

【5】就労を目的に来日する人も年々増加、2017年は新たに47万人が来日


観光などの短期入国者を除き、働くために日本に来日する人の推移を表したのが、図表⑥です。2011年の約27万人を底として増加傾向が続き、2017年には約47万人が、主に就労を目的に新たに来日しています。そのうち、ITエンジニアが含まれる「技術・人文知識・国際業務」での新規入国者数は、2010年の約7千人を底として、2017年には約2万5千人にまで増加しており、新規入国者全体の2割弱を占めています。

図⑥:短期入国を除いた新規入国者の推移

 

 

まとめ


第1回は、統計データをもとに、日本における外国人労働者の変遷について分析してみました。近年の外国人労働者の増加は顕著であり、日本の労働市場において無視できない存在になってきていることがわかります。特に、製造等のいわゆるブルーカラーのみではなく、技術者等のホワイトカラーとして働く外国人が増加している点にも注目していきたいと思います。

次回の第2回では、日本におけるIT産業及びITエンジニア人材の現状について整理・分析していきます。

 

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