建設業界の人材市場動向数値まとめ 『建設HR』マンスリーレポート2021年10月

総合人材サービス事業を行うヒューマンリソシア株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:御旅屋 貢、以下「当社」)が運営する、建設業界のお困りごとに寄り添うオウンドメディア『建設HR』は、 建設業に特化した人材関連の公的データをまとめた 『建設HRマンスリーレポート 2021年10月』 を公開しました。

【本件のポイント】

●厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の最新データから、建設業の給与額の実態を分析
●平均年間給与額は、製造業よりも高い
●建築技術者の平均年間給与額は、土木技術者、測量技術者よりも高い

今回は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の最新データから、建設業での給与額の実態を年齢層別、職種別に分析します。

建設業の年間給与額はすべての年齢層で製造業を上回る

2020年の平均年間給与額を建設業と製造業で比較すると、建設業は540万3千円、製造業は491万7千円となっており、建設業が製造業よりも約10%高くなっています(図表①)。年齢層別にみると、すべての年齢層で建設業が製造業を上回っています。最も平均年間給与額が多くなるのは建設業、製造業ともに50~54歳であり、建設業は650万9千円、製造業は613万7千円になっています。
55歳から64歳といった定年年齢前後の給与額をみると、製造業では55~59歳の613万1千円から60~64歳には401万9千円と約35%減少しますが、建設業では同648万4千円から同516万9千円と減少幅は約20%にとどまっており、建設業は製造業よりも給与額の落ち込みが小さいという特徴が見られます。

【図表① 2020年における年齢層別の平均年間給与額の建設業と製造業の比較】01出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より作成

建築技術者の平均年間給与額は619万8千円

主要な技術職について2020年の平均年間給与額をみると、最も平均年間給与額が高いのはシステムコンサルタント・設計者で690万円でした。次いで輸送用機器技術者が662万円、建築技術者で619万8千円と続いています(図表②)。土木技術者は568万2千円、測量技術者は463万1千円と建築技術者よりも平均年間給与額は低くなっています。

【図表② 主要な技術職の2020年での平均年間給与額の比較】02※電気・電子・電気通信技術者は通信ネットワーク技術者を除く
出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より作成

【2021年8月の建設業界の雇用関連データ】

(1)建設業の就業者数・雇用者数・新規求人数

◆建設業の就業者数は485万人(前年同月比97.6%)、雇用者数は387万人(同97.0%)と、ともに前年同期比で4カ月連続減少しました。
◆公共職業安定所(ハローワーク)における新規求人数は65,650人(同105.7%)と、前年同期比で9カ月連続増加しました。

<建設業の就業者数と雇用者数の推移>03出典:総務省「労働力調査」より作成

<建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く)>04出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

(2)建設技術職の雇用動向

◆ハローワークにおける建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は4カ月連続で上昇し、前年同月を0.43ポイント上回る6.21倍になりました。
◆労働需給の先行指標となる新規求人倍率は、前年同月を0.03ポイント上回って9.53倍となり、8カ月連続で前年同月を上回りました。上昇率は前月(1.64ポイント増)よりも小幅になっています。
◆有効求人数は前年同月比106.0%となり、8カ月連続で増加しました。新規求人数も同104.8%と8カ月連続で増加しており、建設技術者の需要は増加傾向が鮮明となっています。
*充足率=(就職件数/新規求人数)×100(%)

<建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)>05出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

<建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート)>06出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

(3)建設技能工の雇用動向

◆ハローワークにおける建設・採掘の職業(常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月を0.07ポイント下回る5.28倍となり、3カ月ぶりに低下に転じました。
◆労働需給の先行指標となる新規求人倍率は、前年同月を1.04ポイント下回る6.99倍となり、2カ月連続で低下しました。
◆有効求人数は前年同月比106.9%となり、12カ月連続で前年同月を上回りました。新規求人数も同106.0%と12カ月連続で前年同月を上回り、企業の求人意欲は上昇傾向が続いています。
◆新規求職者数は前年同月比121.8%となり、二桁の増加になっています。
*充足率=(就職件数/新規求人数)×100(%)

<建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)>07出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

<建設・採掘の職業の雇用関連指標の前年同月比(常用・除くパート)>08出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

 

【本レポートの全文はこちら】
建設HR Monthly Report (2021年10月)
https://kensetsu-hr.resocia.jp/limited/monthly_202110

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