USドルベースでの世界のITエンジニア給与、ヨーロッパ各国で上昇、日本は31位に順位を落とし現地通貨ベースでもG7で唯一減少、グローバル人材獲得競争で後れをとる懸念

[世界のITエンジニア給与を独自集計]

総合人材サービス会社のヒューマンリソシア株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:高橋 哲雄、以下「当社」)は、世界のITエンジニアの動向を俯瞰的に把握することを目的に、国際労働機関(ILO)や経済協力開発機構(OECD)の公表データ、各国の統計データベース等をもとに独自集計し、「データで見る世界のITエンジニアレポート」として発表しています。このたび、世界のITエンジニア給与について、USドルベースで平均年収を集計した最新の調査結果を、「データで見る世界のITエンジニアレポートvol.15」として発表します。

【本件のポイント】

●世界73カ国のITエンジニアの給与、USドルベースでは1位スイス、2位米国、3位デンマーク
●前年からの増加率は1位ポーランド、2位ポルトガル、3位ラトビアと、ヨーロッパ各国でITエンジニア給与が上昇
●日本はITエンジニア給与で31位、前年比の増減率では59位で、いずれもG7構成国で最下位となり、グローバルなITエンジニア獲得競争で後れをとることが懸念される


・出典元の詳細は、本レポート最後の<調査に関する出典/備考>をご確認ください。
・IT エンジニアの給与(平均年収)は、給与情報などの調査会社ペイスケール(Payscale)のサイトにてSoftware Engineer の年収を調査し(検索日:2024年10月11日)、2024年1~9月の平均為替レートでUS ドルに換算しています。

<調査結果概要>

世界73カ国のITエンジニアの平均年収をUSドルベースで集計し、比較したところ、1位はスイス、2位は米国、3位はデンマークとなりました。また前年比での増加率を集計したところ、1位ポーランド、2位ポルトガル、3位ラトビアで、上位10カ国のうち8カ国をヨーロッパの国が占めています。なおIT市場で存在感を増すインドについては、平均年収では55位ですが、増加率では6位となりました。

一方日本は、USドルベースのITエンジニア平均年収では73カ国中31位、前年比では-16.7%の減少で69カ国中59位であり、いずれもG7構成国で最下位となりました。なお、為替変動の影響を鑑みG7構成国の給与を現地通貨ベースで集計したところ、前年比で減少したのは日本のみでした。

前年調査(※1)でも、日本の給与面での魅力低下が懸念される結果でしたが、今回の最新調査では、その懸念がさらに高まる結果となりました。国内では、人材確保に向け、海外人材の活用への期待が高まっており、海外のITエンジニア活用への注目度も高まっています。しかしながら、給与面での日本の競争力が相対的に低下している現状から、優秀な人材の流出や、グローバル市場における人材獲得競争に後れをとることが危惧されます。

※1) 2024/01/16 発表 プレスリリース 
[世界のITエンジニアの給与を独自集計]72カ国中6割がUSドルベースで上昇、各国通貨ベースでもG7構成国は平均2.6%増。日本は5.9%減で26位、円ベースでも0.4%増に留まり日本の魅力低下が懸念


<本調査結果のレポートにつきまして>
調査結果全体資料は、以下よりダウンロードいただけます。
●資料ダウンロードページ URL: https://corporate.resocia.jp/dl/itreport_15

 

■ITエンジニア給与、日本は73カ国中31位、増減率では69カ国中59位

図1_ITエンジニア給与_上位10カ国

(図表1)PayscaleのサイトにてSoftware Engineerの年収を取得し、USドルに換算しています。

図2_ITエンジニア給与増減率_上位10カ国(図表2)比較できる前年データが取得できた69カ国を対象に集計しています。

ITエンジニア(Software Engineer)の平均年収を取得できた73カ国について、USドルに換算し集計した結果、最も給与が高かったのは前年調査(※1)と同じくスイスで、2位は米国、3位には前年調査で4位であったデンマークが入りました。一方日本は30,040USドルで31位となり、前年調査の26位を下回る結果となりました。

また前年比での増加率を集計したところ、増加幅は全体的に前年調査より縮小しているものの、比較可能であった69カ国のうち30カ国が前年より給与が上昇しており、増加率1位はポーランド、2位はポルトガル、3位ラトビアでした。なおポーランドは前年調査でも前年比19.6%の増加とITエンジニア給与が大きく上昇しており、またITエンジニア数についても、近年大幅に増えていることから(※2)、IT市場が大きく拡大していると推察されます。特に、増加率上位10位のうち8カ国を占め、約7割の国が増加しているヨーロッパ各国で、ITエンジニア給与が上昇していることが際立ちます。

一方日本は、USドルベースの前年比で-16.70%と大幅に減少しており、増減率は69カ国中59位の結果となりました。前年調査(※1)でも増減率は58位であり、為替変動の影響を考慮してもなお、世界各国と比較し、相対的に日本の給与水準が低下傾向であると推察されます。

※2)2025/01/21 発表 プレスリリース 
『成長する世界のITエンジニア市場、2,994万人で前年比6.1%増、1位は急拡大するインド、2位に米国、3位は中国、「2025年の崖」が迫る日本は、4位を維持するも停滞の兆し』

■現地通貨ベースでもG7各国の給与は増加、日本は前年比で減少

ITエンジニアの給与および増減率をG7構成国で比較すると、USドルベースの平均年収において、日本はG7で最下位でした。また、前年比の増減率においても、英国4.16%増、ドイツ2.59%増など、G7各国が増加している一方、日本は-16.70%の減少と、G7で唯一減少しています。対USドルの為替変動の影響を考慮し、各国の現地通貨ベースで比較しても、G7各国ではITエンジニアの給与が上昇している一方、日本は円ベースでも、前年より減少している結果となりました。
図3_G7各国のITエンジニア給与・増減率

図4_G7各国の現地通貨でのITエンジニア給与の増減率(図表4)前回調査結果と比較し作成

 

ヒューマンリソシア 海外ITエンジニア派遣 「Global IT Talentサービス」 について

サイズ小_GIT写真★_DSC1994世界60を超える国・地域から、1,200名超のエンジニアを採用し、国内企業に派遣しています。グループに国内最大級の日本語学校を持ち、短期間で、会話を中心とした日本語力を育成できることが強み。WEB開発やデータ分析・AIなどのIT領域に加え、BIM/CIM領域のエンジニアも多く活躍しています。多様な価値観を持つ多様な人材が、日本で活躍する機会を創出することで、グローバル化・ダイバーシティ推進にも寄与しています。
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●ヒューマンリソシアWEBサイト: https://resocia.jp

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●ヒューマンホールディングスWEBサイト: https://www.athuman.com/

会社概要

ヒューマンリソシア株式会社

●代表取締役: 高橋 哲雄
●所在地: 東京都新宿区西新宿7-5-25 西新宿プライムスクエア1階
●資本金: 1億円
●URL: https://resocia.jp




<調査に関する出典/備考>

  1.  ITエンジニア給与について
    ・企業の給与などに関する情報を収集・提供している「Payscale」にて検索した「Software Engineer」の給与データ(検索日:2024年10月11日)を使用しています。
    ・「Software Engineer」の給与データは、2024年1月から9月の平均為替レートでUSドルに換算しています。為替レートは、国際通貨基金(IMF)の統計データを使用しています。

  2.  調査対象とした国・地域(略称、順不同)
    以下、73カ国のデータを取得し、集計しています。
    <アジア・太平洋>
    日本、インド、インドネシア、シンガポール、スリランカ、タイ、中国、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランド
    <北米・中南米>
    米国、コスタリカ、パナマ、ブラジル、ペルー、メキシコ、エクアドル、グアテマラ、ドミニカ共和国、コロンビア、ボリビア、ホンジュラス、カナダ
    <ヨーロッパ>
    スイス、ルクセンブルク、ベルギー、アイルランド、ドイツ、フランス、オーストリア、オランダ、英国、イタリア、スペイン、スロベニア、キプロス、マルタ、ギリシャ、ポルトガル、チェコ、ポーランド、ブルガリア、ハンガリー、ロシア、アゼルバイジャン、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、エストニア、ラトビア、リトアニア
    <中東>
    カタール、イスラエル、ヨルダン、アラブ首長国連邦、オマーン、サウジアラビア、バーレーン
    <アフリカ>
    ボツワナ、モーリシャス、ケニア、ウガンダ、ガーナ、アンゴラ、エジプト、カメルーン、レソト、ナミビア、モザンビーク

  3.  その他
    増減率は、小数点第3位以下を四捨五入して算出しています。

 


■本件に関するお問い合わせ■
ヒューマンリソシア株式会社 広報担当 吉田
E-mail: resocia-pr@athuman.com

■ヒューマングループに関するお問い合わせ■
ヒューマングループ 広報担当 若林、平
E-mail: kouhou@athuman.com