新卒でITエンジニアとなる卒業者は大きく増加、文系および女性の就職者が増え、ITエンジニア増に貢献、一方、理系出身者の比率は大きく低下し4割以下に

~ITエンジニアへの就職動向レポート~

総合人材サービス会社のヒューマンリソシア株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:御旅屋 貢、以下「当社」)は、世界のITエンジニアの動向を俯瞰的に把握することを目的に、国際労働機関(ILO)や経済協力開発機構(OECD)の公表データ、各国の統計データベース等を基に独自集計し、「データで見る世界のITエンジニアレポート」として発表しています。このたび、ITエンジニアとして活躍が期待される国内の大学等新卒の就職動向について、独自集計した結果を、レポートとして発表します。

【本件のポイント】

●大学および大学院を卒業し新卒でITエンジニアとなる就職者数は大きく増加
●文系など理系以外の学部出身者が6割超を占め、理系出身者の割合は大きく低下し4割以下に
●女性が10年間で約2.6倍に増え、就職者の約3割を占める

・文部科学省「学校基本調査」より、大学、大学院の修士・博士課程卒業の就職者数を集計しています。
・本レポートでは、専門的・技術的職業従事者のうち、「情報処理・通信技術者」への就職者を「ITエンジニア」への就職者としています。

<調査結果概要>

DXに向かうなか、国内ではIT人材不足が深刻化しています。当社の調査では、日本のITエンジニア数は増えているものの、世界各国と比較すると、増加の力強さは物足りず、また将来IT領域での活躍が期待されるの卒業者が減少傾向であることも不安材料となっています(※参照)。

このような状況を受け、このたび、人材の大きな供給源となる大学等新卒の就職動向について集計・分析したところ、新たにITエンジニアとしてキャリアをスタートした新卒就職者は、10年間で約2倍に増えていることが明らかとなりました。さらに、ITエンジニアへの就職者の増加は、文系など理系学部(理学部および工学部)以外の出身者や、女性就職者の増加が寄与していることがわかりました。一方で、ITエンジニア就職者のうち、理系学部出身者が占める比率は年々低下しており、2023年には4割以下となっています。

育成を前提とした採用や、女性の積極活用など、企業各社がITエンジニア確保に取り組んでいることはプラス材料となる一方で、新しいサービスや技術が次々とうまれ、高度化するIT領域においては、専門知識やスキルを有する人材の育成および教育の重要性が、一層高まると考えられます。

 

<本レポートの資料版について>
この調査レポートの全編の資料は、以下のリンクから無料でダウンロードすることができます
●資料ダウンロードページ:  https://corporate.resocia.jp/dl/itreport_ja_01

 

■大学等を卒業し、ITエンジニアとなる新卒者は大きく増加

大学および大学院(修士・博士)を卒業し、ITエンジニアとして新卒で就職する卒業者数は、2013年の2.3万人から2023年には約4.8万人となり、10年間で2倍と大きく増えています。2021年には前年より2.4%減少となったものの、それ以外では前年を大きく上回っており、直近10年間の平均増減率は7.5%増となりました(図表1)。

図表1_ITエンジニアへの就職者数の推移
(図表1)学校基本調査より作成。大学学部・大学院修士・博士課程卒業者で、「情報処理・通信技術者」への就職者の合計


■文系を含む理系以外のITエンジニアへの就職者が大幅に増え、就職者の6割超を占める

こうしたITエンジニアへの就職者数を出身学部別にみると、理系(理学部+工学部)学部出身の就職者が緩やかな増加である一方、文系を含む理系学部以外の就職者が大幅に増えていることがわかります。2013年の大学学部の新卒就職者においては、理系出身者が55.1%を占めていましたが、2023年には理系出身者が占める比率は38.2%まで低下し、61.8%を理系以外が占めています(図表2)。

図表2_専攻分野別の就職者数の推移(図表2)学校基本調査より作成。大学専攻学部別のITエンジニアへの就職者の推移(修士・博士は含まず)


■ITエンジニアとして就職する女性が増加し、女性比率は約3割に

また、ITエンジニアへの新卒就職者を男女別にみると、男性、女性、いずれも増えていますが、女性の増加が顕著となりました。男性は2013年の約1.80万人から、2023年には約3.42万人へと10年間で1.9倍となる一方で、女性は2013年の約0.53万人から1.40万人と約2.7倍になりました(図表3)。2023年には、ITエンジニア就職者のうち29.1%を女性が占めています。

図表3_男女別就職者数の推移(図表3)学校基本調査より作成。大学学部・大学院修士・博士課程卒業者の合計

 



調査結果から、採用企業側は、ITエンジニア確保に向け、大学等の新卒採用を強化していること、また育成を前提に、理系学部以外の学生や女性を積極採用していることことが推測されます。この背景には、理学部・工学部や、STEM分野の学生がほとんど増えていないことが要因の一つとしてあげられます。グローバル化が進む中、日本が世界での競争力を高めるためには、高度な専門知識、スキルを有する人材の育成と、ITエンジニアとして活躍し続けてもらうために、職業やキャリアの魅力向上が不可欠であると考えます。

 

※参照: 当社発表ニュースリリース

●2023年12月13日発表
「世界109カ国のITエンジニア数は推計2,680.5万人、前年比13.3%と急増、国別では1位米国、2位インド、3位中国、日本は世界4位を維持するが伸び悩む」
●2024年1月30日発表
[世界の大学等におけるIT教育について独自集計]
年21万人のIT卒業者を輩出する米国を筆頭に世界各国でIT人材の供給力が高まる一方、日本のIT卒業者は減少傾向



<参考> ヒューマンリソシア調査 「データで見る世界のITエンジニアレポート」について

世界のITエンジニアの動向を俯瞰的に把握することを目的に、国際労働機関(ILO)や経済協力開発機構(OECD)、各国の統計データを基に調査した結果を、2020年より公開しています。これまでの発表内容は、以下よりご確認いただけます。



vol.1 [独自推計]92カ国をデータでみるITエンジニアレポートvol.1を発表
vol.2 [独自レポート]世界のIT技術者の給与ランキング、日本は92カ国中18位、伸び率は年5.9%増で20位
vol.3  圧倒的なIT人材輩出数のインド、日本は減少傾向と、IT人材供給力の低下が明らかに
vol.4 [独自推計]世界93カ国のIT技術者は約2,257万人
vol.5  世界109カ国のIT技術者数は約2,517万人、日本はIT技術者数で世界4位、一方増加率は22位
vol.6  IT技術者の給与が最も高いのはスイス、2位米国、日本は世界20位、中国が25位と迫る
vol.7  世界のIT卒業者数は増加 日本のIT卒業者数は3.2万人で6位だが減少傾向
vol.8  IT分野のジェンダーギャップに関するグローバル調査 情報通信業で働く女性の割合、日本は47カ国中30位
vol.9  世界109カ国のITエンジニア数は推計2,680.5万人、前年比13.3%と急増、日本は伸び悩む
vol.10 世界のITエンジニア給与、72カ国中6割がUSドルベースで上昇、日本は5.9%減で26位
vol.11 世界各国でIT人材の供給力が高まる一方、日本のIT卒業者は減少傾向
vol.12 IT 分野のジェンダーギャップに関するグローバル調査


ヒューマンリソシア 海外ITエンジニア派遣 「Global IT Talentサービス」 について 

世界各国から優秀なITエンジニアを採用し、国内企業に派遣しています。世界50を超える国から1,000名以上を採用し、500超の企業に派遣実績があります。多様な価値観を持つ多様な人材が、日本で活躍する機会を創出することで、グローバル化・ダイバーシティ推進にも寄与しています。
●サービスサイトURL: https://git.resocia.jp


ヒューマンリソシアについて

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●ヒューマンリソシアWEBサイト: https://resocia.jp

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●ヒューマンホールディングスWEBサイト: https://www.athuman.com/


会社概要

ヒューマンリソシア株式会社
●代表取締役: 御旅屋 貢
●所在地: 東京都新宿区西新宿7-5-25 西新宿プライムスクエア1階
●資本金: 1億円
●URL: https://resocia.jp


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E-mail: resocia-pr@athuman.com


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